イライラしてきた
勝ち目がない。勝負にならん
「弱者の戦略」を考えてみたらいいんじゃないですか?
「弱者の戦略」はマーケティングの手法の1つで、
これも勉強しておきました
話を聞かせてくれ
「弱者には弱者にしかできない勝てる戦い方がある」
ということです。
「競合他社が強力すぎて太刀打ちができない」
「新規ビジネスを思いついているが競合他社のことを考えると踏み切れない」
「マーケティングの必要性は感じているが、まず何からやっていけばいいかわからない」
こんな悩みを抱えている方も多いと思います。
そんな方にオススメしたいのがが、中小企業や小規模事業者でも、競合他社との違いを生み出せるマーケティング手法、「ランチェスター戦略」です。
今では誰もが知る企業のHISやアパホテルも、中小企業だった時代にランチェスター戦略を駆使することで飛躍的な成長を遂げました。
また、最近では「梅干し専門店」「いくら専門店」「白Tシャツ専門店」など、特定の領域に限りなく絞った店舗も増えていて、これらはランチェスター戦略を活用しています。
今回の記事では、「弱者の戦略」とも呼ばれるランチェスター戦略と、企業のホームページを軸にしたWebマーケティングを組み合わせる方法を解説していきます。
ランチェスター戦略とは?
強者には強者の、弱者には弱者の戦い方があります。
ランチェスター戦略とは、マーケティングを「弱者の視点」と「強者の視点」で分析して経営戦略や販売方針を立案する手法のことです。
HISやアパホテルなどは、零細企業・中小企業だった時期にランチェスター戦略を実施することで大きな飛躍を遂げ、現在では日本を代表する企業にまで登りつめています。
数あるマーケティング戦略のなかでも、ランチェスター戦略は中小企業や零細企業、個人事業主でも実践しやすい点で優れています。
自分に合ったビジネス戦略を立てる上で役立つのが「ランチェスター戦略」です。
ランチェスター戦略が生まれた背景
ランチェスター戦略を理解するうえで、ランチェスター戦略が生まれた背景からみていきましょう。
ランチェスター戦略の歴史は古く、第一次世界大戦の頃にさかのぼります。
イギリスで戦闘機の開発に従事していたエンジニアのF・W・ランチェスター氏は、どのようにすれば有利に空中戦を展開できるのかを研究していました。
その結果、「兵力」と「武器」の性能が「戦闘力」となって相手にダメージを与えることがわかったのです。
ランチェスターの第一法則(接近戦・局地戦)
ランチェスター第一法則は、狭いエリアで剣や斧などの武器で戦う原始的な戦闘を想定した法則です。
【ランチェスター第一法則(接近戦・局地戦)での戦闘力の計算方法】
兵士×武器効率(武器性能)=戦闘力
例えば、以下のA国とB国が戦った場合は以下の戦闘力となります。
A国 兵士20 武器効率10 =戦闘力200
B国 兵士12 武器効率20 =戦闘力240
B国の戦闘力240 > A国の戦闘力200 よってB国の勝利
このように、B国はA国よりも人数が少なかったのですが、
武器の性能が優秀(武器効率が高い)だったため、勝利を収めることができます。
ビジネスに置き換えると以下になります。
- 兵士=従業員数や広告費(会社の規模や資本力)
- 武器=商品力、営業力、ブランド力、生産性(経営戦略のうまさ)
つまり、ビジネスに置き換えると、県内や市内などの局地戦で競合他社に勝利するためには、
- ・営業の人数や広告費を増やす
- ・商品力・ブランド力・マーケティングを向上させる
以上ふたつの方法があるわけです。
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ランチェスター第二法則(広域戦)
ランチェスター第二法則では、広い戦場、例えば「遠距離から銃で撃ち合う近代の戦」を想像してみてください。
【ランチェスター第二法則(広域戦)での戦闘力の計算方法】
人数の2乗×武器性能=戦闘力
先程の第一法則とちがって、第二法則では人数が2乗としてカウントされるのが特徴です。
それでは、広域戦では先ほどのA国・B国の戦闘結果がどのように変化するのか見てみましょう。
A国 兵士20人の2乗×武器効率10=戦闘力40000
B国 兵士12人の2乗×武器効率20=戦闘力28800
B国の戦闘力28800<Aチームの戦闘力40000 よって、A国の勝利
このように、ランチェスター第一法則(接近戦・局地戦)では、人数は劣っていても武器効率の優秀さで勝利していたBチームが、第二法則(広域戦)になると、人数の差が大きく響き敗北してしまいました。
広域戦になると、人数が如実に勝敗を分ける要素になるわけです。
なぜランチェスター第二法則(広域戦)では人数が2乗でカウントされるの?
接近戦・局地戦での戦闘は一騎打ちにちかい
なぜランチェスター第二法則(広域戦)では人数が2乗でカウントされるのでしょうか?
これは接近戦と遠距離戦のちがいを考えるとご理解いただけると思います。
刀や槍などの原始的な武器では、1人の兵士は一度に1人までしか攻撃できません。
つまり接近戦での戦闘は一騎打ちの性質を帯びることになります。
戦うフィールドが広くなるほど、多数の営業社員数と豊富な広告費がある大企業・先行企業が圧倒的に有利になる
それに対して、遠距離から近代兵器で撃ち合う広域戦ではどうでしょうか?
自動小銃やマシンガンなどの武器は連射が可能なので、一度に複数人の相手に攻撃できます。
そのため人数の差がより圧倒的な戦闘力のちがいになってしまうのです。
ビジネスに置き換えれば、戦うフィールドが広くなれば広くなるほど、豊富な人材や資金力を持つ大企業や先行企業が圧倒的に有利になるということです。
豊富な営業社員を抱えておりテレビCMや新聞広告、Web広告、芸能人なども活用できる大企業に、中小企業が日本全国などの広いフィールドで勝つのは至難の業でしょう。
強者と弱者では戦い方が全く違う
強者、弱者それぞれに合った戦い方があります。
以上の第一法則、第二法則から考えて、以下の戦略が導き出されます。
ランチェスター第一法則・第二法則から導き出されるビジネス戦略
大企業や先行企業に圧迫されている弱者は、経営資源の差が出やすい広域戦は避けて局地戦に持ちこむ
逆に強者は経営資源の多さを活かせない局地戦を避けて、エリア・サービスの範囲拡大を目指す
ランチェスター戦略での強者=シェアNo.1の企業
弱者=それ以外のすべての企業
ランチェスター戦略の基本はNo1を目指すこと
ランチェスター戦略を一言でいうならば、ある特定の市場内でNo.1を目指し、達成することです。
No.1を達成すれば、以下のさまざまなメリットが手に入るからです。
- 「●●ならこの会社」 というブランドイメージが手に入る(第一想起の獲得)
- 口コミやSNSでも広まりやすい
- 得意分野があることで認知されやすい
- 信頼性が高まるので価格競争に巻き込まれづらい
どれも企業にとっては喉から手が出るほどほしいメリットであり、売上げ拡大にも直結します。
ランチェスター戦略の「弱者の戦略」では、小さなNo.1をコツコツ積み重ねることが重要
しかし「No.1になること!」と言われても、「それができないから苦労してるんだよ」という声が聞こえてきそうです。
ですがランチェスター戦略でのNo.1とは、総合ネット通販におけるamazonやスマートフォンでのアップルのように、数千億・数兆円の市場で1位になることをだけを意味している訳ではありません。
ここからが重要な話になりますが、
むしろランチェスター戦略が重視しているのは、極めて小さな市場で1位を獲得することです。
「小さな1位」をコツコツと積み重ねることこそがランチェスター戦略の本領であり、強力な競合他社に唯一勝てる「弱者の戦略」です。
それではこの「弱者の戦略」とは何なのか、具体的に説明していきます。
強力な競合他社に勝つには接近戦・局地戦に限定する
弱者はエリアや商品・サービスなどのジャンルを限定しない広い領域で勝負してはいけません。
ランチェスター第二法則を思い出してください。
広域戦では戦闘力は以下の計算式で求められました。
【ランチェスター第二法則(広域戦)での戦闘力の計算方法】
人数の2乗×武器性能=戦闘力
広域戦では社員数・資本・広告力などの総合力で上回っている大企業や先行企業が圧倒的に有利なのです。
弱者である中小企業が、広い市場で大企業や先行しているライバル企業と真正面からぶつかっても、確実に負けてしまいます。
たとえば飲食店でいえば、「寿司からとんかつ迄なんでもあります!」ということのみをうたっていても、すでに優位にあるファミレスに打ち勝つことは難しいのです。
弱者が1位を目指すには、市場を細分化するセグメンテーションが必須
弱者が売上げを拡大するときに取るべき戦略は、ずばり局地戦になります。
ランチェスター第一法則を説明したときの例で、人数が少ないBチームが武器の優秀さのおかげでAチームに勝ったことを思い出してください。
狭い市場であれば、資本力で優位な企業に対して、中小企業が商品力・経営戦略によって勝つことも不可能ではないのです。
また、大企業といえどもすべてのエリアに十分な量の営業社員・広告費を投入できているわけではないので、特定のエリアに限定すれば中小企業のほうが営業社員・広告費で勝ることも十分ありえます。
つまり市場を細分化することで、自社が勝ちうるフィールドを見つけ出すのです。
この市場を切り分けて細分化していく作業のことを、マーケティング用語で「セグメンテーション」と呼びます。
例えば自社が美容室なら、「レディースカット」「メンズカット」「カラーリング」などの施術項目でのサービスの分類、
「主婦層」「30代~のビジネスマン」「学生」などの顧客層の分類などをします。
最も得意で強みが活かせる箇所に着目して、そこを中心的に戦うフィールドにするのです。
「ビジネスマンの為のカット専門店」のように。
これはニーズと顧客層によるセグメンテーションです。
「ビジネスマンの為のカット専門店」などの店舗はランチェスター戦略とセグメンテーションを応用した典型例
あえて「●●専門店!」と名乗ることで、他の多数の競合店舗から抜け出た存在になれる
ニーズと顧客層によるセグメンテーションの活用例は実際に街でもよく目にします。
「ビジネスマンの為のカット専門店」や冒頭でもお伝えした「梅干し専門店」「いくら専門店」など、
特定の商品や料理に特化した店を見かけることが最近特に増えていませんか?
これは典型的なランチェスター戦略の活用例です。
普通の「美容室」では、エリア内に競合店舗が多数ありますし、散髪という施術だけで他社と明確な違いを生み出していくことは難しく、熾烈な競争にさらされてしまいます。
ですが「ビジネスマンの為のカット専門店」とうたえば、普通の美容室から頭ひとつ抜け、ビジネスマンにとっては、
「これ自分の為の美容室かな?」と思ってもらえることがあります。
この「●●といえば●●」と思い出してくれること、第一想起(トップ・オブ・マインド)といいます。
専門分野を絞ることで第一想起を獲得し、すぐに思い出してもらえる存在になれる
第一想起(トップ・オブ・マインド)を獲得できるのも中小企業にとっては、非常に強力かつ得がたいメリットです。
第一想起とは「子供服といえば西松屋」「焼肉といえば叙々苑」のような、特定の商品で最初に頭に浮かぶブランドのことです。
普通の美容室でそのエリアの第一想起を獲得することはかなり難しいですが、「ビジネスマンの為のカット専門店」ならば同じ業態の店が近くにないかぎり、自分の店が第一想起になります。
顧客が記憶できるブランド名・店舗名・会社名の数には限界があるので、この第一想起を獲得することは集客数を増やすうえでかなり重要です。
以上のような理由で、「ビジネスマンの為のカット専門店」などのニッチなニーズに特化した店が街中で増えているのです。
これらの専門店は、ランチェスター戦略とセグメンテーションの有効性を身近に体感できる生きた実例だといえるでしょう。
エリアによるセグメンテーションも有効
今ではビジネスホテルとして確固たる地位を確立しているアパホテルですが、創業後に有名になるまでにはランチェスター戦略を活用していました。
アパホテルが特に活用していたのは、エリア戦略と差別化です。
石川県小松市で注文住宅販売店として創業したアパグループがホテル業に乗り出した時、まずは県内の金沢市に目をつけ、「3点攻略法」を用いて攻略を始めました。
「3点攻略法」とは、特定のエリアを攻略する際に、いきなり中心地に開設するのではなく、まずはそれを囲う三角形を作るように拠点を設けることで、中心部(攻略したい土地)での成功を目指す戦略です。
この戦略に合わせ、金沢の西部、東部、北部に支店を作り、アパホテルの認知度・ブランド力を高めてから中心部に拠点を移すことで、金沢進出を成功させました。
その後、この「3点攻略法」を様々なエリアで利用し、千代田区・中央区・港区などの都心3区などに集中的な支店進出をすることで、東京での認知度・ブランド力の向上にも成功し、市場占有率を一気に高めていくとことに成功しました。
Webマーケティングではランチェスター戦略が発揮される
ここまでご説明してきたように、ランチェスター戦略は中小企業にとって非常に実行しやすいマーケティング戦略です。
そして中小企業がランチェスター戦略を実施するうえで、ぜひ活用してもらいたいのが企業ホームページなどを活用したWebマーケティングです。
Webマーケティングは実行に必要なコスト・リスクが少ないため、ランチェスター戦略の実行には最適なのです。
顧客ニーズがわかるSEO
SEOとは、検索エンジンを使ったマーケティング戦略のひとつです。
Googleなどの自然検索結果で自社のページが表示されることにより、サービスや商品を知らないユーザーがページを見て検討する機会を創出します。
ユーザーが検索エンジンをつかって検索ワードを入力したとき、そこに必ずその人のニーズが表れています。
たとえば「東京 美容室 薄毛 ビジネス」 という言葉で検索する人がいれば、
その人は「東京都で、薄毛を上手にビジネス向けにカットしてくれる美容室を探している」ということになります。
このようにニーズを把握することができます。
ニーズがわかったところで、今度はニーズに答える必要があります。
ホームページを運営していたとして、「薄毛のビジネス向けのカットの事例集」を数多く掲載していたら、
高確率で検索順位の上位を獲れるうえに、一致するニーズを持った顧客を効率よく集客できるでしょう。
小さなNo.1を無数に獲得できるコンテンツマーケティング
先ほどの「東京都で、薄毛を上手にビジネス向けにカットしてくれる美容室を探している」というニーズに答える美容室が、
なにも「薄毛美容室専門店」の業態である必要はないのです。
これがWEBの世界の最大のメリットです。
リアルの店舗だけであれば、「薄毛美容室専門店」という看板を掲げなければいけなかったはずです。
しかしWEBの世界では、小さなNo.1を無数に獲得していけるのです。
- 「東京 美容室 薄毛 ビジネス」
- 「東京 美容室 くせ毛 ビジネス」
- 「東京 美容室 枝毛 女性」
複数のニーズに対して、もし対応できる施術があれば、
ホームページ上で各ニーズに対応した答え(コンテンツ)を掲載していくことで、
小さなNo.1を無数に獲得していくことが可能となるのです。
これをマーケティング用語で、コンテンツマーケティングといいます。
コンテンツマーケティングの詳しい記事はこちらも是非お読みください。
リンク⇒コンテンツマーケティングについて詳しく
企業ホームページの活用はランチェスター戦略のスタートに最適
「ニッチ市場に集中する」というのがランチェスター戦略の基本戦略ですが、
「そうはいっても、一部の商品・サービスのみに特化するのはリスクが大きすぎる…」と二の足を踏む方が多かったと思います。
上述した通り、何も企業の業態自体を「●●の専門店」に変えなくても、WEBの世界では「専門店」になることができ、
ランチェスター戦略を最大限に発揮できます。
「どんな髪型でも承ります!」という状態では、それは強者の戦略であり差別化もなく難しかったですが、
WEBの世界では「薄毛の専門店」「くせ毛の専門店」「枝毛の専門店」のように、複数のニッチな専門店となることができ、
小さなNo.1を無数に目指していくことができます。これはまさに弱者の戦略=ランチェスター戦略です。
以上のような理由で、狭い市場でNo.1を目指すランチェスター戦略は企業ホームページの活用と非常に相性がよいです。
ぜひみなさんも企業ホームページを活用して、小さなNo.1を積み重ねてみてください。
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